治験業界の全体像を暴露!治験に関わる会社とは?具体的会社名や情報も紹介
「治験やモニター(臨床試験)にボランティアとして参加してみたい!」と思っても、どこからどうやって参加するかわからないですよね。
また、いざ参加してからも、どんな人たちや会社と関わらないといけないのかもわからないのではないでしょうか。なんだか全体像がよくわからなくて、不安に感じたり、怖くなったりする人もいると思います。
治験やモニターに関わる会社は、個人情報や健康を取り扱うだけあって、本来、きちんとした会社ばかりです。ですが、中には誤解して少し不審に思ってしまう方がいるのも事実です。
そこで、あなたが不安なく試験に参加できるように、治験業界に関わっている会社について詳しく解説していきます。もちろん、心配してしまうような怪しい企業はひとつもありませんので安心してください。
目次
治験の業界構造
治験・モニター業界は、会社ごとの役割分担がかなりはっきりとしています。どんな会社がどんなことをしているのかを把握するためには、まず業界構造を知ることが必須です。業界の構造について解説していきます。
治験・モニターをはじめとする臨床試験は、販売の認可や、特定の広告表現の許可を得るために実施されます。そのため、そもそも、何か物を売りたいと思う会社である「メーカー」が存在しなければ、臨床試験自体も実施されません。ですから、臨床試験は、製薬メーカーや食品メーカーなどからの依頼がスタート地点になります。
メーカー自身が臨床試験を行うこともありますが、規模が大きくなるとメーカー自身では実施できません。そこで、臨床試験の実施・運営を専門的に行う会社がそれを請け負います。そのような、臨床試験を受託・代行する会社をCRO(Contract Research Organization:開発業務受託機関)と言います。
臨床試験の受託・代行はCROが行いますが、一部業務をSMO(Site Management Organization:治験施設支援機関)という会社が代行する場合が多いです。CROが、主に届出等のメーカー寄りの業務を代行するのに対して、ボランティアとのやりとりなど、現場(医療機関)寄りの業務を代行する傾向にあります。
さらに、ボランティアの募集はSMOが主体となって行うことが多いのですが、SMOだけでは十分な人数のボランティアが募集できないことがあります。その場合は、ボランティア募集会社である PRO(Patient Recruitment Organization)がボランティアの募集を代行します。弊社、合同会社beyondS(モニコム)は、このボランティア募集会社に該当します。
つまり、メーカー→CRO→SMO→募集会社という順に業務が細分化されていきます。これが基本的な臨床試験(治験・モニター)の業界構造です。
治験・モニター(臨床試験)に関わる会社具体例
治験・モニターには、メーカー・CRO・SMO・募集会社という会社(団体)が関わると解説しました。では、具体的にどんな会社があるのでしょうか。代表的な会社名をご紹介させていただきます。
メーカー(製薬会社)
まず、治験の場合であれば薬を試験しますので、メーカーと言えば製薬メーカーのことを指します。同様に、健康食品の臨床試験であれば、健康食品メーカーのことですし、化粧品の臨床試験であれば化粧品メーカーを指します。
国内の製薬メーカーとしては、武田薬品工業株式会社、アステラス製薬株式会社、大塚ホールディングス株式会社が売上上位3位までを占めます。海外の製薬メーカーであれば、ロシュ、ファイザー、ノバルティスが世界の売上3位までを占めます。
健康食品メーカーとしては、サントリーウェルネス、ディーエイチシー、ファンケルなどがあります。化粧品メーカーとしては、資生堂、花王、コーセーなどがあります。
いずれも聞いたことがあるような会社ではないでしょうか。あなたが参加したことのある、もしくは参加を考えている試験は、これらのような有名な会社の製品についての試験かもしれません。
CRO(Contract Research Organization:開発業務受託機関)
臨床試験の受託・代行を行うCROとしては、IQVIAサービシーズジャパン株式会社、シミック株式会社、イーピーエス株式会社、パレクセル・インターナショナル株式会社などがあります。
おそらく、耳したことがない会社ばかりではないでしょうか。CROは、ほぼ対企業向けの商売ですので、一般消費者に対しては認知度が高くありません。ですが、臨床試験の届出やマネジメントを行うという、大事な任務を背負った会社です。
SMO(Site Management Organization:治験施設支援機関)
より現場寄りの業務を代行するSMOとしては、株式会社EP綜合、サイトサポート・インスティテュート株式会社、ノイエス株式会社、株式会社エシックといった会社があります。
こちらも、普通に生活している上では、あなたにとってあまり馴染みがないと思います。
ただし、実際に臨床試験にボランティアとして参加する場合には、このSMOから派遣されるスタッフである治験コーディネーター(CRC)さんとやり取りをすることになると思います。CROよりは身近な存在であるかと思います。
ボランティア募集会社(Patient Recruitment Organization)
募集会社とは、説明した通り、臨床試験に参加するボランティアを募集する会社です。これはCRO、SMOについても同様なのですが、どんな試験が得意か、どこの地域が得意かなど特色が分かれます。ちなみに、PROという呼び名よりはボランティア募集会社という呼び名の方が一般的です。
具体的会社名としては、弊社合同会社beyondS(モニコム)の他に、株式会社クリニカル・トライアル、株式会社ヒューマ、株式会社パシフィックグローブ、NPO法人ニューイングといった会社があります。会社によっては、専門の募集サイトを持っています。
臨床試験に参加する際には、このボランティア会社を通すことが多いので、あなたにとってはもっとも最初に関わる会社になります。
ボランティア募集会社は、募集する人数が多い時や、SMO側で募集が難しいような試験の場合によく利用されます。逆に、SMO側で十分の被験者が集まる場合や、ボランティアからの募集が難しい場合(難病の試験など)については、ボランティア募集会社は利用されません。
第三者機関
この他にも、法人(会社)ではありませんが、IRB(Institutional Review Board)という、臨床試験の倫理性を審査する第三者機関などがあります。このIRBは、試験ごと・施設ごとに都度組織されます。客観的・公平な視点で臨床試験を評価するために、様々な職業・立場の方々によって構成されます。
IRB(Institutional Review Board)とは、治験審査委員会の略称。 治験が実施される前に、その治験の安全性・有効性と倫理性を審査する役割を持つ。 被験者の安全と人権を守るために設置されるようになった。 治験を行う医療機関1箇所につき、原則1つの委員会が設置される。
また、治験のスムーズ・安全な運営をサポートを目的とした、製薬会社から成る製薬協という団体が存在します。製薬協は、治験119番という質問・相談窓口を作って、治験に関わる会社のサポートを行なっています。
まとめ
今回は、治験・モニターをはじめとする臨床試験に関わる会社や、業界構造について解説しました。
ボランティアの方にとって、この臨床試験の業界構造は正直、見えにくいと思います。実際に参加した方でも、なんだかよくわからないまま参加したという方も多いでしょう。
ボランティアとして参加する以上、どんな風に臨床試験が運営されているかわかった方が不安が少ないですよね。ボランティアとして試験に参加する前に、一度この記事を読んで全体像を理解してみてください。
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