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参加体験の声

30代男性が日帰り治験に参加してみた体験レポート

2023.06.30 読了時間:約5分

「治験ってどんな感じなんだろう」という疑問を持ちながら、なかなか一歩が踏み出せない人は多い。この記事はそういう人のために書いた。フリーランスで働く32歳の男性(以下Aさん)が、初めて日帰り治験に参加したときの一部始終を、時系列に沿って紹介する。特別なエピソードはない。ただ、「やってみたら拍子抜けするほど普通だった」という正直な感想だけがある。

参加を決めたきっかけ——バイト感覚で検索したのが始まり

Aさんが治験を知ったのは、フリーランスの収入が少し落ち込んでいた時期だ。「スキマ時間にできる副収入」で検索していたときに治験情報サイトが出てきた。「病院に数時間いるだけで1〜2万円」という説明を見て、「怪しいな」と思いつつも登録してみた。

サイトに登録すると、すぐに日帰り案件が複数表示された。「30〜45歳の健康な男性」「BMI 18.5〜25.0」「非喫煙者」という条件を見て、「自分に当てはまる」と判断し、最も謝礼が高かった案件(1回15,000円・来院2回)に応募した。

応募から電話確認まで

応募フォームに名前・生年月日・連絡先・健康状態を入力して送信。2営業日後の午後3時に知らない番号から電話がかかってきた。「○○治験施設です」という声で緊張したが、内容は「お名前と生年月日の確認」「現在服用している薬はあるか」「喫煙・飲酒習慣はどの程度か」という問診だった。10分ほどで終わり、「問題なければスクリーニング検査の日程をメールで送ります」と言われた。

スクリーニング検査当日——意外とあっさりした健康診断

指定された日の午前10時に施設へ。都内の普通のビル内にあるクリニックで、白衣を着たスタッフが受付にいた。「治験の予約をしている○○です」と告げると、問診票を渡された。アレルギー歴・既往歴・現在の服薬状況・最後に飲酒した日付などを記入した。

スクリーニング検査の内容

問診票の記入後、採血室へ呼ばれた。「4本取ります」と言われて少し身構えたが、1本あたり数mLで、あっという間に終わった。その後、尿検査カップを渡されてトイレへ。戻ると心電図の部屋へ案内され、ベッドに仰向けになって電極を貼られた。心電図自体は2〜3分で終わる。最後に身長・体重・血圧・脈拍を測定して、一連の検査は1時間15分ほどで完了した。

検査後、CRC(治験コーディネーター)から「結果は1〜2週間後にご連絡します」と告げられて帰宅。検査自体に特に痛みや不快感はなく、Aさんは「会社の健康診断より楽だったかも」と感じたという。

合格の電話——スクリーニング通過

10日後の午前中に電話があった。「検査結果に問題がなく、参加が決定しました」という一言で、思わず「やった」と声が出た。本試験は2週間後。前日21時以降の絶食、当日の服薬禁止、飲酒は3日前から禁止、という指示が書かれたメールが届いた。

本試験当日——6時間の体験記

試験当日は午前8時半に施設へ。受付で名前を告げると、更衣室で病院着に着替えるよう指示された。ロッカーに荷物を入れ、スマートフォンだけポケットに入れて処置室へ向かった。

投薬前の採血と問診

まず空腹時の採血(投薬前の基準値測定)。看護師が腕に静脈留置針を入れてくれた。「これが入ったままになるんですか?」と聞くと「採血のたびに刺し直すより楽でしょう」と説明された。なるほど、と思った。採血後は少し安静にしてから、医師の問診。「昨日の夕食は何時でしたか」「今朝の体調は?」という確認が2〜3分で終わった。

投薬——錠剤を水で飲み込む

午前9時ちょうど。CRCが錠剤1錠と水200mLを持ってきた。「口の中に薬が残っていないか確認させてください」と言われ、飲み込んだ後に舌を出して確認された。緊張するかと思ったが、「なんか大げさな感じだな」という気持ちのほうが強かったという。

投薬後——採血と自由時間の繰り返し

投薬後30分・1時間・2時間・3時間・4時間のタイミングで採血が行われた。合計6回。毎回留置針から採血するので「また刺す」という痛みはない。呼ばれるまでの時間はリクライニングチェアでスマートフォンを見ていた。施設内に漫画本も置いてあり、他の参加者2人と「今日で何回目ですか?」と少し話した。

正直なところ、「退屈」が一番の感想だ。採血自体は1回5分かからない。その合間の45〜55分間は何もしなくていい。2〜3時間目は動画を見ながら半分眠っていた。

昼食と最終採血

午後1時に施設のスタッフから弁当が配られた。ご飯・おかず・みそ汁のシンプルな定食で、「全部食べてください」と言われた。残せないのは少し気になったが、量は普通だった。弁当の後は最後の採血。午後3時に医師から「今日は以上です。特に体調の変化はありましたか?」と聞かれ、「とくになし」と答えた。

謝礼受取と終了——2回目も参加を決めた理由

試験後、CRCから封筒を手渡された。「1回目の謝礼です」と書かれた紙と一緒に現金が入っていた。金額は7,500円(2回来院の1回目分)。封筒を開けた瞬間、「これは確かに稼げる」と実感した。

2回目の来院は3週間後。その日も同じ流れで採血・投薬・採血を繰り返し、終了後に7,500円を受け取った。トータル15,000円、拘束時間は合計約12時間。時給換算で約1,250円だが、「そのうち8時間くらいは自由時間だった」のでAさんは「悪くない」と判断した。

参加してわかった3つのこと

  • 採血は「回数が多い」だけで、1回あたりの痛みは注射程度。苦手な人でも慣れる
  • 「怪しい」という先入観は、実際に行くとすぐ消える。普通の医療施設だ
  • 暇つぶしグッズ(本・イヤホン・充電器)は絶対に持っていくべき

初参加でやっておけばよかったこと

Aさんが「次回は気をつけよう」と思ったポイントが3つある。

スクリーニング前の体調管理

スクリーニング前日の夜に軽くお酒を飲んだが、結果的には問題なかった。ただし、飲酒・徹夜・暴食はスクリーニング不合格につながりやすい。「ちゃんと寝て、ちゃんと食べておく」のが最善だ(ただし検査当日の朝食は禁止の場合が多い)。

当日の持ち物準備

  • 身分証明書(マイナンバーカード or 運転免許証)
  • スマートフォン + 充電器 + イヤホン
  • 本・雑誌・タブレット
  • 飲み物(施設によっては水以外禁止の場合あり)

体調変化は小さくても報告を

本試験の途中、Aさんは軽い眠気を感じた。「薬のせいかも」と思ったが、「これくらいは言わなくていいか」と黙っていた。終了後にCRCへ話すと「それも副作用になりますので、次回から必ず教えてください」と言われた。眠気・頭痛・吐き気・発疹など、どんな小さな変化でも報告するのが正しい対応だ。

まとめ——「やってみてよかった」が正直な結論

Aさんは現在、このシリーズの治験終了から3ヶ月が経過し、次の案件への応募を検討している。「最初の一歩が一番ハードルが高かった。行ってみたら何ということはなかった」というのが、体験後の率直な評価だ。

治験は怪しいものでもなく、危険なものでもない。GCP省令に基づいて管理された医療行為の一環だ。日帰りで参加できる案件は敷居が低く、「まず1回試してみる」場として適している。気になる案件があれば、まず応募するだけでいい。合否はスクリーニングが決めてくれる。

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