治験のスクリーニング(事前健康診断)に5回落ちた。正確に言えば、5回の挑戦で5回とも「今回はご参加いただけません」という結果になった。「体が弱いわけじゃないのに、なんで?」という不満と、「またか」という慣れとが混在する複雑な体験だった。この記事では、スクリーニング落ちを繰り返した実際の経緯と、そこから学んだことを書いていく。「また落ちてしまった」という人の気持ちに少しでも寄り添えれば、という気持ちで書いている。
1回目:血圧が少し高かった
最初の挑戦は日帰り型の案件だった。応募してスクリーニングに来院し、2時間半後に「血圧の値が本試験の基準を少し超えているため、今回はご参加いただけません」という結果が出た。健康診断では特に問題を指摘されたことがなかったのに——という驚きが正直なところだ。
後で調べると、治験のスクリーニングでは通常の健康診断より厳しい基準値が設定されていることがある。「正常範囲内」でも、案件の適格基準に合わなければ不合格になる。これを知らなかった。
2回目:採血の数値(肝機能)が引っかかった
次は別の施設の案件に応募した。今度こそと思いながら来院したが、採血の結果で肝機能の数値(AST・ALT)が基準より少し高いと判定された。「飲みすぎた週があったかな」と思い当たる節はあったが、その程度で引っかかるとは思っていなかった。
治験のスクリーニング採血は、肝機能・腎機能・血糖・コレステロール・ヘモグロビンなど多岐にわたる。一般的な健康診断と異なり、基準値の許容幅が狭い。普段の生活習慣が直接検査値に反映されてしまうと痛感した。
3回目:クールオーバー中だったと判明
3回目は以前に参加した食品モニターが終わってから2ヶ月後に新しい案件に応募した。スクリーニング来院の際の問診で「前回の参加はいつですか」と聞かれ、「2ヶ月前です」と答えると、「今回の案件の規定では3ヶ月の間隔が必要です」と言われてしまった。
クールオーバー期間は案件によって異なるのだから、「前の参加から2ヶ月経てばどの案件でもOK」というわけではない。応募前に案件の規定を確認するか、施設に問い合わせる一手間が必要だったと反省した。
4回目:体重が増えていてBMIが基準をわずかに超えた
4回目のスクリーニングは、当日の体重測定でBMIが案件の基準(25.0以下)をわずかに超えていた。0.3オーバーだった。服を着たまま測定するため少し重くなっていたとはいえ、スクリーニング前に体重管理をするという発想がなかった自分への反省だ。
治験のBMI基準は案件によって異なるが、18.5〜25.0が一般的な範囲とされていることが多い。スクリーニング前の2〜3週間、食事と運動に気をつけるだけでBMI調整はできる。「本番前に体重を管理する」という発想を持てるかどうかが、合格率に影響する。
5回目:今度こそと思ったが、心電図で引っかかった
5回目はBMIも血圧も肝機能も事前に気をつけて挑んだ。採血・尿検査・血圧——全部いける感覚があった。しかし最後の心電図検査で「QTc延長の所見があり、今回の案件の適格基準外です」と言われた。
QTc延長というのは心電図上の波形の一部が正常範囲より長くなる状態で、日常生活では問題になることは少ないが、薬の投与が絡む治験では安全上の理由から除外基準になることがある。「心電図まで確認して準備する」発想は当時の自分にはなかった。
5回落ちて気づいたこと
スクリーニング落ちは「不健康」ではない
5回落ちても、自分の体が特別悪いわけではないことは理解している。治験のスクリーニングは、その「案件の基準」に照らした適格性確認であり、健康診断の合否とは別物だ。一般的な健康診断で「問題なし」の人でも、案件によってはスクリーニングで落ちる。
事前の「下準備」が合格率を上げる
- スクリーニング2〜3週間前から飲酒を控える(肝機能対策)
- BMIが気になる場合は食事・運動で調整する
- スクリーニング当日は軽装・空腹で来院する(指示に従う)
- 血圧が気になる場合は市販の血圧計で事前に確認する
- クールオーバー期間は案件ごとに確認してから応募する
落ちた理由を次に活かす
スクリーニング落ちの理由は、施設に確認すれば教えてもらえることが多い。「今回は血圧の値が基準を超えていました」という情報は、次回の準備に直接役立つ。落ちた理由を聞かずに帰るより、一言確認するだけで次の成功率が変わる。
6回目以降—そして合格した
5回落ちた後、かかりつけ医で心電図・血液検査・血圧を確認した。QTc延長については「軽微な所見であり、日常生活に支障はない」と言われた。その後、心電図の制限がない案件(コスメモニター系)を選んで応募し、6回目で初めて合格できた。
謝礼は18,000円だった。「5回落ちてやっと」という感慨はあったが、同時に「案件を選んで準備することの大切さ」を改めて実感した。スクリーニング落ちは終わりではない。どの条件で落ちたかを理解し、自分に合った案件を探していけば、必ずマッチする案件に巡り会える。
まとめ:スクリーニング落ちは「情報収集の機会」と捉える
スクリーニングで落ちることは誰にでもある。1回で合格できる人のほうが少数派かもしれない。大切なのは「なぜ落ちたか」を理解し、次の案件選びと準備に活かすことだ。
「治験参加は縁とタイミング」という側面もある。自分の体の状態と、案件の条件が一致したときに合格できる——それだけのことだ。モニコムで案件を探しながら、自分のコンディションに合った案件を見つけてほしい。
