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参加体験の声

主婦が初めての入院型治験に挑戦|2泊3日の全記録

2025.05.13 読了時間:約5分

「治験って、健康な人が参加するやつですよね?主婦でも参加できるんですか?」と夫に聞かれたとき、私は「2泊3日で45,000円もらえる案件に申し込んだよ」と答えた。その瞬間の夫の表情は今でも忘れられない。驚きとも呆れともつかない顔。でも最終的には「行っておいで」と送り出してくれた。

この記事は、子育て中の30代主婦が初めて入院型の治験に参加した、2泊3日のリアルな全記録だ。「怖くないのか」「本当に安全なのか」「院内の生活はどうなのか」——参加前に知りたかったことを、体験に基づいてすべて書き残す。

参加を決めたきっかけ

子供が幼稚園に入った春、少しまとまったお金が必要になった。夫の給料だけでは家計が厳しく、自分でも何かできることがあれば、と思いながら「主婦 短期 高収入」で検索していた日のことだ。治験のモニター募集サイトを見つけたのは偶然だった。

最初は「え、新薬を飲むの?」と引いた。でも「健康な成人が対象の試験で、薬が実際に人体に与える影響を確認する安全性試験」という説明を読み、これは医療の発展に協力する活動であることを理解した。謝礼金が2泊3日で45,000円という案件があり、金額の大きさとともに「安全な範囲で行われる試験なんだ」という納得感があった。

スクリーニング(事前検査)の体験

入院の約2週間前に、治験施設に呼ばれてスクリーニング検査を受けた。採血・尿検査・心電図・血圧測定・身長体重測定、それと問診。「現在服用している薬はありますか」「アレルギーはありますか」「最終月経はいつですか」という質問が続く。

所要時間はおよそ2時間。スクリーニング謝礼として3,000円を帰りに受け取った。合否に関わらず支払われる、という説明が事前にあったので安心していた。1週間後に「参加基準を満たしています」という連絡が届き、入院日が正式に確定した。

スクリーニングで落ちる可能性もあった。BMIが基準範囲外、血液検査で何か引っかかる、妊娠の可能性がある——これらがあれば参加できない。幸い私はすべての基準をクリアした。

入院前の準備:主婦ならではの「段取り」

入院日が決まってから、まず考えたのは「家のことをどう回すか」だ。2泊3日、夫と子供だけで生活してもらう必要がある。

入院前日に作り置きを用意した。夕食2食分のおかずを冷凍。保育園の送り迎えは夫に頼んだ。「何かあれば実家に頼んで」と義母にも連絡を入れた。スマートフォンは常時使えるから、緊急時でも連絡は取れる——その事実が一番の安心材料だった。

施設への確認事項もいくつかあった。Wi-Fiは使えるか、洗面用具は持参か施設提供か、室内は個室か相部屋か。担当のCRC(治験コーディネーター)に電話で確認すると、すべて丁寧に答えてくれた。このとき「治験って意外とサポートが手厚い」という印象を持った。

持参したものは以下のとおりだ。

  • 本人確認書類(健康保険証)
  • スマートフォン・充電器・イヤホン
  • 部屋着(2〜3日分)・下着・靴下
  • 室内履き(スリッパ)
  • 洗面用具(シャンプー・歯ブラシ)
  • 本・電子書籍リーダー
  • 延長コード(コンセントが少ない場合に備えて)

薬の持参は原則禁止。市販の風邪薬・鎮痛剤・サプリも。参加前2週間から禁止されているものがあるため、書類を早めに確認しておくことが重要だ。私はグレープフルーツも禁止と知らずに、前日に食べそうになって危なかった。

入院1日目(前処理日):「準備」の1日

午後1時に施設に到着。受付で本人確認書類を提出し、担当のCRCに誘導された。病室に案内され、ロッカーに荷物を収めた。相部屋で、女性が5人。見知らぬ人との相部屋に少し緊張したが、挨拶をすると「私は3回目です」という方もいて、場の空気が和んだ。

午後2時ごろ、入院時検査として採血・血圧・体温の確認があった。担当医師による問診もあり、「この薬はどのような目的で開発されているのか」という説明を改めて受けた。インフォームドコンセント(同意書)はスクリーニング時に署名済みだったが、再確認と質問の機会があった。

夕食は午後6時。病院食のようなものを想像していたが、想像よりずっとおいしかった。量は少なめ(カロリーが規定されている)。食後はスマートフォンで動画を見たり、持参した本を読んだりして過ごした。施設内にはWi-Fiがあり、コミック本の棚もあった。午後11時の消灯前にもう一度血圧測定があり、就寝。

入院2日目(投薬日):「採血」の連続

朝6時起床。すぐに採血があった。「空腹時の採血」で、この時点では何も食べていない状態。その後、午前7時に試験薬の服用。水200mlで錠剤を飲み込んだ。その後は横になって安静にするよう指示された。

服用後から採血のタイミングが細かく刻まれていた。15分後・30分後・1時間後・2時間後・4時間後・6時間後・8時間後・12時間後——合計で9〜10回の採血があった。このとき初めて「治験は採血が多い」という意味を実感した。腕に留置針(翼状針)が入れっぱなしになっており、そこから採血するため、その都度注射針を刺すわけではないと聞いて少し安心したが、腕に管が入っている感覚はあった。

昼食は採血スケジュールの合間に。試験薬を飲んでから2時間後(規定)の昼食だった。午後は安静が基本で、本を読んだりスマートフォンを触ったりして過ごした。夜の採血が終わると、ひとまず「今日の山場は超えた」という実感があった。

副作用は、軽い頭痛が少しあった程度。CRCに報告すると「記録しておきます」と言われた。深刻なものではなく、夕食後には落ち着いた。就寝前にもう一度採血があり、この日の採血は計10回だった。

入院3日目(退院日):「解放感」の朝

朝6時に最後の採血。その後、朝食。午前9時に最終確認の検査(採血・心電図・血圧)があった。担当医師が「特に問題ありません。副作用の報告があった軽い頭痛も、翌日には消えていますか?」と確認してくれた。「はい、もう大丈夫です」と答えると、退院の手続きが始まった。

午前11時ごろ、荷物をまとめて受付へ。謝礼の受け取りについて説明があり、「後日、指定の口座に振り込みます」とのこと。振込は約1〜2週間後だった。施設を出ると、外の空気がとても新鮮に感じた。

帰宅すると夫と子供が出迎えてくれた。「お疲れ様。ご飯は作れた?」「なんとか」という会話。家の中は若干散らかっていたが、3日間でこれくらいならむしろ良かったと思った。

謝礼・お金のこと

今回の謝礼は以下のとおりだった。

  • スクリーニング謝礼:3,000円(当日現金)
  • 本試験謝礼:45,000円(後日銀行振込)
  • 合計:48,000円

振込は2週間後にあった。通帳に「謝礼金」として入金されているのを確認したとき、「本当に入金されるんだ」と改めて実感した。これはパート2ヶ月分の収入に近い金額だ。

謝礼は「雑所得」として扱われる。年間20万円を超えると確定申告が必要になるため、複数の試験に参加する場合は金額を管理しておくとよい。今回は1件のみなので申告の必要はなかった。

参加してみて、正直どうだったか

「危険だった?」と聞かれたら、正直「特に何もなかった」が正解だ。副作用の頭痛は1日目の夜にあったが、2日目にはなくなっていた。採血が多かったのは想定どおりで、留置針の違和感には最初戸惑ったが、慣れると気にならなくなった。

「院内が暇なのでは?」という心配もあった。確かに外出はできない。でも本を持参していたし、施設のWi-Fiでドラマを見たり、同室の参加者と話したりと、思ったより時間は過ごせた。むしろ「育児なし・家事なし・自分のためだけの2泊3日」という体験は、普段忙しい主婦にとって予想外のリフレッシュになった。

一番良かったのは、採血結果を退院時にもらったことだ。血液検査の全項目が数値で記録されており、「コレステロール値が少し高めですね」とCRCから指摘されたのは初めての経験だった。無料で精密な健康診断を受けられた、という実感がある。

初めての参加を考えている主婦へ

参加前に最も心配したのは「安全性」だった。でも治験は日本の厚生労働省の定めるGCP(医薬品の臨床試験の実施の基準)に則って実施され、参加者の安全が最優先で設計されている。問題が起きれば即中断され、医療ケアが提供される。これは一般的なアルバイトにはない保護だ。

主婦として特に準備が必要なのは「家族の段取り」だ。2〜3日の不在を安心して過ごすために、作り置き・送迎の手配・緊急連絡先の共有を事前に済ませておくことが、参加中の精神的な余裕につながる。

「謝礼目的でいいんですか?」という問いに対しては、「謝礼は参加への正当な対価であり、参加理由として問題ない」と担当医師に言われた。それでも参加することで医療の発展に貢献できる事実は変わらない。謝礼と貢献、どちらも本物だ。

モニコムの案件一覧には、今回のような入院型の健康ボランティア案件も掲載されている。自分の年齢・健康状態・スケジュールに合った案件から、まず試してみることをおすすめする。

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